旅行中に盗難にあって一文無しに

(山口県八代市 ポップリーさん 学生 22歳)

大学の夏休みを利用して、友人と自転車旅行をしていました。学生の貧乏旅行ですので、ホテルや旅館にはほとんど泊まらず、漫画喫茶を利用したり、健康ランドを利用したり、時には野宿をすることもあるような旅行でした。

今しかできないような旅行ですので、そんな生活も非常に楽しんでいたのですが、旅の予定も中盤を過ぎたところであるトラブルにあってしまったのです。

その日は予定していた街まで行き、携帯で検索して目星をつけていた漫画喫茶をその日に宿にすることに決めました。その前の数日は、野宿や路の駅などで夜を過ごす日が続いていて、シャワーも浴びられていなかったため、シャワーの使える漫画喫茶を選んでいました。ところが、シャワーと浴びて自分のブースに戻ってみると、僕のバックパックが消えていました。店にも警察にも届け出たのですが、結局バックパックは見つからず、僕は旅の途中で一文無しになってしまったのです。

ただでさえ貧乏旅行をしていましたから、友人の手持ちのお金で二人で旅を続けることはできません。それに、ここで旅を諦めるにしても自転車で旅をしている以上、ここからすぐに引き返したとしても、一文無しでは家まで帰り着くこともできないのです。

僕の手元に残っていたのは、シャワーを浴びる前に来ていた服と着替えた服、それから運転免許証だけでした。運転免許証は、ここへ来る前に自転車の無灯火を取り締まっていた警察官にたまたま提示を求められ、そのままジーンズのポケットにいれたままにしていたものでした。

この免許証があったおかげで、僕は旅を続けることができたのです。身分証明書があったおかげで、消費者金融でお金を借りることができました。盗まれたバックパックや服なども購入し、トラブルに中断されることなく旅を続けることができました。

その後店内の防犯カメラの映像から犯人が補導されたそうで、僕の荷物やお金は戻ってきましたが、後日それらのものが戻ってきたことよりも、あの時旅を続けられたことが、僕にとってはありがたいことでした。お金を借りて旅が続けられて、本当によかったです。

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