社員の給料が払えない。来月にはお金が入るのに融資を断られ

(鹿児島県霧島市 海人さん 経営者 60歳)

私の経営する工場では、既に仕事を終えて納品をした品物の代金が支払われずに、従業員に給料が支払えなくなってしまったということがありました。

しっかり納期も守って納品した大口の取引だったのですが、その会社では取引先からの支払いが遅れているそうで、それを理由に私の工場への支払いを遅らせてほしいと言われていました。

うちは自転車操業でなんとかやっている小さな工場ですので、支払いが遅れられると痛手は大きいのですが、得意先でもある取引先にあまり強いことは言えずに、言われた期日まで支払いを待つことにしたのです。しかし、その約束の期日になっても代金は支払われませんでした。もう少し待ってほしいということでしたが、うちでは既に従業員の給料が10日間も遅れている状態でしたし、これ以上はどうにもならないと支払いをお願いしました。

しかし、無いものは払えないということで、代金は結局翌月まで支払ってもらえないことになり、従業員の給料だけはなんとかと、銀行に融資を申請したのです。来月には納品した商品の代金が入るからと説明しましたが、銀行では融資を受けることができませんでした。

既に仕事は終わっていて、お金は来月には入るというのに今従業員に支払う給料がないのです。支払いを待ってもらっている従業員からも、そろそろ限界だという声が聞こえ始めていました。

どんな事情があっても働いてもらった分の給料を支払うのは経営者の責任です。そこで、代金が支払われるまでに間、消費者金融でお金を借りて従業員の給料を支払うことができました。

なんとか経営者としての責任を果たすことができてよかったとおもっています。

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